俺ってニートっていうか、厳密に言えば学生だからニートじゃないんだけど、ニートの素質が非常に高いね。働きたくねーという、社会的に非常に駄目な部類、いわゆる駄目人間だ。むしろ関心は、生きているか死んでいるかということだけであって、「あんただけの命じゃないよ」と言われるから生きてるようなもんであり、俺が孤独だったらとっくに死んでいたと思うわけだ。しかも、その死に方というのも、縊るのも面倒だろうから、食事抜き、政治的思想無しでのハンガーストライキを行っての死だろう。いや、食べ物を買う気力すらなく、なんか気付いたら死んでた、みたいな感じが一番正確だ。
しかし、生きているんだから、腹が減るし食う。食うには金が必要だ。俺みたいに何となく生きていて、その割に不安ばかりが付きまとっているようなやつであれ、金が必要だ。しかし、無気力であるから、金など手元にはないのだ。
そこで、私は求人情報誌のなんたらを手にする。エロビデオ屋なんてのはどうでしょう。私はエロビデオ屋でバイトを始めるのだ。すると、そこへ顔見知りの男がやってくる。顔見知りと言っても話したことは無い。ただ、結構な割合で見かける男だ。私はその男が熟女好きだということを知る。一方、その男は私が店員であるため、商品をカウンターに持って行きづらいのである。結局男は何も買わずに店を立ち去る。エロビデオ屋の売り上げも下がる。原因は確実に私にある。
私は解雇され、また普段の無気力な生活に戻る。
こんな想像をしてると、本当にエロビデオ屋にバイトしたくなるのだ。