2004年09月19日

彼の思い出

 小学校の頃、体操の得意なやつがいた。学校の鉄棒では大車輪をかますし、体育のマット運動では一人だけ「床」をやっていた。あれを見ればすぐに体操を習っているんだと、誰もが理解できるぐらい他の人より上手かった。鍛えられていたため、当然運動神経は良く、体育の時間は活躍していた。

 彼のことをふと思い出したのだ。そして、もしかしたら結構体操で活躍しているんじゃねーの、ということで調べてみたところ、予想通りというのか、なかなかいい成績を残しているようである。ただ、名前だけでは確信が持てなかったので、大学の体操部だかを覗いてみると、やはり彼であった。顔写真あったのだが全く変わっていない。かなり顔が変わった(と思っている)俺からすれば、もうちょっと変われよという感じだ。(体はマッチョなんだろうなあ)
 思えば、俺が現在の彼を見ることができたのは奇跡といえるかもしれない。彼は小学校の卒業とともにどっかに行ってしまったため、中学では一緒にならなかった。ヤングな俺でも小学校時代ははるか昔のように感じる。つい2,3年前である高校時代のクラスメートの名前すらほとんど覚えていない俺のことだ。小学校時に転校した友人の名前はほとんど覚えていない。覚えているのは仲が良かったやつとか、やけに身体的特徴が顕著だったやつとか、そんなんばかりである。そういう中で彼の名を覚えていたのは何故だろう。きっと名前が普通じゃなかったからだろう。

 ただ、彼を思い出すとなんか嫌な感じだ。うーむ、確か俺は彼にいじめられていた気がする。彼に関する思い出で、「お前、何であいつに君付けなの? 呼び捨てでいいじゃん」と言われたことがある。まさか、「怖い」ともいえまい。ただ、それ以降は呼び捨てにしたが。あー、書いてるうちに思い出してきた。いじめっ子というか、いたずらっ子という感じだったな。俺は彼に対して気弱だったため、カモにされていた。そんで、よくズボンを下ろされた。あの時は「ズボン下ろし」というのが流行っていて、ボーっと突っ立ってらんないのである。間抜けにも俺は女子のまん前でズボンを下ろされた。しかも、俺はブリーフだったのだ。ブリーフとは情けなさの象徴である。彼を覚えていたのは名前のこともあるだろうが、私怨なのかもしれない。多分、今でも復讐したいと深層的に思っているかもしれない。

 彼は現在体操で頑張っていて、俺は楽に生きようと頑張っている、っていうか頑張っていない。お互い頑張ろうね、とは思うものの、やつが目の前に現れたら俺のこぶしは怒りに燃えるだろう。ただ、運動している彼にはかなわないので、俺はにやついて敬語で話しかけるだろう。このやろー。

投稿者 arikui : 2004年09月19日 04:20 | トラックバック

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