2004年06月15日

615

これは日記です。

 海猿の影響じゃなくて、前から欲しかったJOURNYのエスケイプを先々週ぐらいに買って聞いてんだけど、マジでカッコイイ! 俺、アメリカンハードってんですか、よく分からないけどこういう大袈裟っぽいの好きだな。JOURNYは確かアルマゲドンにも使われてたよな。アルマゲドンは面白いとは思わないけど、あーいった大袈裟な映画は嫌いじゃない。進んで見ようとはしないけど。

 ああいうのはきっと「救い」なんだろう。作ったやつが作って癒されて、その話を見て感動して癒される。癒されて救われる。大袈裟な話は美談であるが故、癒され救われるんだろう。
 けど、普通に考えれば、それを単なる美談として受け入れるにはそれに至る経緯が絶対必要だと思うし、どこに国の人間も素直に涙を流すとは限らないだろう。パッションだってキリスト教徒かどうかで全く変わるだろうしな。パッションの場合は(見てないけど)信仰を深めるためのものだろうから「癒し」ではないけれど、どちらにしたって、その映画の作られた目的が果たされるかどうかは自分の生まれ育った環境による。
 映画に限らず、本や音楽だって同じ。疑えというわけじゃないけど、考えなきゃ駄目だよな。考えた上で好きか嫌いか判断するべきだ。そういった中で多くの人が共通に好きと感じられるところがその作品の素晴らしいポイントなのかもしれない。素晴らしさを考えるなら、多くの人と共通するよさを考えるわけで、それは色んなものを排して考えるものなのかもしれない。

 けど、現在を生きているって点ではみんな共通の立場なんだから、それを排して良さを感じることって不可能だ。タイムマシンがあるわけでもないし。(というかタイムマシンがあったらそんな考え方もメチャクチャになりそうだぞ。)昔の人はキュビズムとか抽象的な絵画をみてどう思ったんだろう。今なら普通に「芸術」ってなってるけどさ。確かに一部の金持ちは評価したんだから、そのころから良さはあったんだろうけど、多くの人がそう感じるとは思えない。今だって嫌いな人はいるだろうし。この良さってのもアフォーダンスなんだろうな。良いと感じる情報を取り出すかどうかが鍵。とすると、作品の素晴らしさは必ずしも共通するということじゃないのかな。やっぱり、自分で体験することが重要だろう。

 映画、本、音楽、ゲームっていうもんは体験しなきゃ語れないから、本当に誰もが語ろうとすると絶対に事業として成功するもんだろう。だって体験するには、必ず映画館に足を運ばなくてはいけないということなんだから、消費者が語りたければ何もしなくたって金が入ってくる。評論家なんてそうだと思う。けど別に感動できれば語りたくもないし、感動できない悪いものには金を払いたくないのが消費者だからそれは難しい。そういうわけで、現実的には立ち読みとか視聴とか、色んな方法で一部を体験して全部を見てもらおうとする。評判だって同じようなもの。
 けど、この評判ってもんは曲者だ。さっき言ったように、自分で体験するということじゃないんだから。けど、影響力が無いというわけじゃなく、むしろ大きい。それは全体を体験した者の口から発せられるからだろう。他人のレビューで既に体験した気になったりするじゃない(俺だけ?)。それはすなわち、疑似体験みたいなもんか。体験はゼロにも関わらず体験した気になるのは、その体験者に気分が移入しちまってんだろう。それだけじゃないだろうけど。たとえば、その著者のファンだとか、予め一部を体験して好感を持っており、そこで改めて他人からいい印象を得たりとか。テレビなんかでも映画の映像たくさん流すもんね。でも、それが大体一般的になってるから、より消費者を選ばせる必要がでてくるはずだ。

 評判が悪いのに成功してるものって結構あるよね。CASSHERNなんてそうじゃないの? タイタニックとかさ。タイタニック見てないけど、無駄に家にあるもの。こういう風に、良いとも思わないのに買わせるのは何故だろう。「みんなが見てるから」ってのは大きいだろうなあ。そういう人は、「みんなが見てるからいい映画」とは必ずしも思っていないはずだろう。最初に言ったように、「体験しなきゃ」ってところが大きいと思う。つまり、「みんなが見てるんだから体験しなきゃ発言できない」ということで、それはコミュニケーションに関わることなんだろう。
 んー、この辺微妙だ。だって、体験したからといって、友人間の会話で出てくるとは限らないもの。テレビが面白くなるからなのかなあ。パロディを楽しむにはオリジナルを見た方がいいしね。もしくは、知識を欲求しているからなのだろうか。無知な人が社会学を勉強しようとしたら、まずは入門書を読んで、そこから重要な人物の著作を読むと思う。いきなりマニアックな学者なんて読まないでしょ、普通は。多くの人との共通のものを基本とみなし重要とするのではないかな。その良し悪しは別として。

 多くの人が共有しているものが基本とされるとしても、それは結果でしかないよ。タイタニックと言えば両手広げて飛んでるようなポーズが真っ先に浮かぶし、それが共通のものとして頭の中にある。だからといっていいものという証明にはなってないなあ。何で売れたのかも分からないし。

 一部を体験して、金を払って映画を見てみて、良いと感じたら良い映画。その評判が広がれば売れるだろう。別なことでは、ファンであるということが大きいだろうな。どうにかして「売れてる」って話題を作れば売れるんだ。

投稿者 arikui : 2004年06月15日 23:51 | トラックバック

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