2005年04月01日

読んだ漫画

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諸界志異 3 鬼市 (3)
諸怪志異(三) 鬼市」 諸星大二郎

 諸星大二郎の中ではかなり好きなシリーズ。初めて読んだのは、父親が図書館で借りてきてたものだったと思う。正直、三が出ているとは知らなかった。だって、Amazonだと「諸界」志異になってんだもん。タイトルで検索しても出てこないわけだ。
 本の内容は、一、二ではかわいい少年だった阿鬼が青年になって活躍する話。五行先生に言われて旅に出るんだが、その旅の途中でこの巻は終わる。発行は1999年の12月ごろ。未だに続編が出ていないようだ。果たして続編は出るのか!? そういったところで注目。


美しい人生」 清水おさむ

 表紙を見るだけで分かるが、凄い迫力。あまりの凄さに全部がギャグに思える。つーか、ギャグ漫画なんでしょ、こいつは。巻末にある根本敬の解説を読んでさらに衝撃。清水おさむってかなり年齢高い人なんだそうだ。この歳になってこのエネルギーで漫画を描いているのは凄い、と根本敬は書いている。確かにそう思うな。


はこにわ虫」 近藤聡乃

 一番先に思ったのは、絵が上手いってことか。ページ全体を見ても、なんかのポスターみたいな感じがする。文字も手書きみたいで、やっぱ統一された奇麗なデザインになってんだよな。
 そういった「芸術的」な内容で、一般的に言えば一部「意味不明」だろう。その不可解な感じは、「つめきり物語」の最初の言葉に、

何かの拍子に、何かがヒョイ、と浮かぶ。
こういうことはよくあることで
これも、そんなお話です。

とある。なんか全体的にそんな感じなんじゃねーの、と思った。こういった「雰囲気」の作家が増えたよね、みたいなことを巻末で林静一が、


それは、思想家吉本隆明氏が我が娘、よしもとばななの小説作品を指して、小説のマクドナルド化と評したのと同じ現象なのだ。

といい、そして、

近藤の作品も、関係性の他者として友人や目障りな隣人が登場する。が、山田花子の作品のように、それ以上関係へとは進まない。
いや寧ろ、関係を自ら拒否しているかのようで、そこが近藤の作品への初々しさを与えているのだ。まるで、大きくなることを拒否した少女のようにだ。

と論じている。なんというか、林静一だから、その分重く感じる。
それと、近藤聡乃の漫画は女性ならではの魅力があるだろう。恐らく、男性が同じようなキャラクターで漫画を書いたとき、それはどこかロリコン的な要素が含まれていたりするのではないか。そして、それは恐らくすでに消費されていて、新鮮さはあまり感じられないだろう。男性から見る少女への憧れではなく、女性から見る少女への憧れだろうか。そういったものを感じる。


少女椿

少女椿」 丸尾末広

 丸尾末広というと、昔の、少女向け雑誌の表紙みたいな奇麗な絵を描く人で、内容もその時代の雰囲気を醸していて、まあ江戸川乱歩みたいなエログロナンセンスっつーんですか、そんなの。公式サイトを見れば、その雰囲気はつかめる。好きな人は大好きな、そうでない人にとってはどうでもいい雰囲気。今の若い人はこういうのに惹かれるもんなんだろうか。

デビルマン
デビルマン」 永井豪

 いやはや凄い。永井豪が好きな人って大抵デビルマンあたりで好きになったんじゃないか、と思った。永井豪の作品は、「あばしり一家」を読んだのが最初かな。あの時読んだ雰囲気はあった。あばしり一家ってのは、殺人一家が暴れまわる話だったと思うが、いきなり巨漢女子高生とか出てきて、笑えるギャグ漫画。あの漫画を読んだのは結構前だったんだけど、今思い出すとなかなかいい印象が残っている。でも、最近連載の漫画はあまり好きじゃないんだよな。
 あー、デビルマンだけど、デビルマンに初めて触れたのはOVAでかな。すげーグロかったのと同時に、エロかったのも覚えている。小学生には刺激が強かった。特に、悪魔の儀式とぬかしつつ、裸で踊り狂っているシーンなんかもう見てらんないほどエロかったし、美樹ちゃんの入浴シーンも激しくエロかった。が、デビルマンとデーモンの戦いはすげーグロかった。そのエロさとグロさを兼ね備えていたのがシレーヌだった。OVAで見たのは、確かジンメンまでだったと思う。「第一部完」ぐらいまでか。
 コミックは、その後タイムスリップなんかをして、時代を遡ってデーモンと戦うのだが、それが2巻までの話と比べてあまり面白くない。ちょっとがっくり来る。が、4巻から実際にデーモンと人間が戦う話になる。ここで話の進行と暗さが一気に進む。激しく暗い内容だ。その暗さが次第に深まって、最後の最後でもうどうしようもなくなる。美樹ちゃんは死ぬは、デビルマンは死ぬは。
 メインにはそういう深いテーマがあり、それはそれで心を打たれるが、やはり何よりデビルマンそのものの、「イデオロギーなんて関係ねえぜ、俺は怒った!」みたいな勧善懲悪も心地よい。


 他にも色々買ったけど、読んだらまた書くかな。

投稿者 arikui : 2005年04月01日 12:05 | トラックバック

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