2005年04月09日

血だるま剣法・おのれらに告ぐ

血だるま剣法・おのれらに告ぐ』 ( 平田 弘史 )

 ネットでの評判がいいのでだいぶ興味があったが、読んでみると想像以上に面白かった。ただ、現在になっても未だ字が伏せてあるのは残念。細部まで理解できない。呉智英の解説のお陰で大体把握できるようになっているのが救いか。

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時計仕掛けのりんご


時計仕掛けのりんご』 ( 手塚 治虫 )

 短編集。所謂、「黒手塚」満載。幼い頃から「火の鳥」が大好きだった俺としては、「黒手塚」作品の方が好き。むしろ、初期作品に見られるような、明るい雰囲気は大部苦手。「来るべき世界」も読み返そうと思うものの、なかなか行動に移せない。

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デビル メイ クライ 3


デビル メイ クライ 3

 ついさっきHARDクリア。俺ってこういうゲームは非常に苦手なんだが、3は難易度低めでここまでにあまり苦労はなかった。いや、敵を倒すのには苦労するが、アイテム使いまくれるので、結局ミッションクリアできるのである。確か、1は買えるアイテム数決まってたと思うんで、そういう点で1よりは楽。
 2はあんまりやっていないから比較が難しい。つーか、2が糞というのを3やってようやく分かった。1はMust Dieの途中まで一応やったが、2はノーマルクリアして止めちゃうもんな。なんか途中からスゲー面倒になってくる。なので、1回エンディングみたらもういいや、ってなる。
 3は、何がどう違うのかよく分からないが、なんか知らないうちに続けてしまう。一つのミッションがさくっと終わるからだろうか。一つのミッションは10分とかそんぐらいだと思うが、気付いたら何時間もやってて朝寝坊しそうになるので、休みの日にやろうな!

 3で今までと一番違うなあ、と思ったのはストーリーをちゃんと作っているところ。1を初めてやったとき、ストーリーがなんかよく分からなかったというか、大筋はなんとなくわかるんだが、話が急に飛んだりした、気がする。2もその感じは一緒。なんか大事なところだけ取り出して集めたみたいな感じ。間がない。まあ、恐らくその間というのはミッションの途中ということなのかもしれないが。
 一方3は、RPGツクールでいう「イベント」っていうんですか、そんなゲームの途中で話が入ってくる感じでストーリーが進む。バイオハザードみたいに、ボス倒したらイベント入るみたいな。だから、ストーリーがよく分かるのかもしれない。
 それと、道化っぽいキャラクターは、恐らくDMC3やった人なら心奪われたに違いない。そういえば、今回結構人間のキャラクターが多いように思うな。主人公に、いつもながらの女キャラ。敵にハゲとダンテの兄貴。それと、さっきの道化。1は主人公と女だけだった気がするし、2は主人公と女キャラとババアと三島か。すると、一人増えただけなのか。キャラクターが増えた割に、個別の存在感は今まで以上だろう。あー、そのあたりがストーリーを引き立ててるんだな。

 今回のは、難しいのが好きな人でも、こういうのが苦手な人にも、ダブルで対応してると思うんで、なかなかいいゲームに仕上がってると思います。
 で、Must Dieのミッション2で早くも死にかけ。ダメージ大きすぎ。アイテム大量に仕入れてアマチュア攻略します。

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デビルマン

デビルマン
デビルマン」 永井豪

 いやはや凄い。永井豪が好きな人って大抵デビルマンあたりで好きになったんじゃないか、と思った。永井豪の作品は、「あばしり一家」を読んだのが最初かな。あの時読んだ雰囲気はあった。あばしり一家ってのは、殺人一家が暴れまわる話だったと思うが、いきなり巨漢女子高生とか出てきて、笑えるギャグ漫画。あの漫画を読んだのは結構前だったんだけど、今思い出すとなかなかいい印象が残っている。でも、最近連載の漫画はあまり好きじゃないんだよな。
 あー、デビルマンだけど、デビルマンに初めて触れたのはOVAでかな。すげーグロかったのと同時に、エロかったのも覚えている。小学生には刺激が強かった。特に、悪魔の儀式とぬかしつつ、裸で踊り狂っているシーンなんかもう見てらんないほどエロかったし、美樹ちゃんの入浴シーンも激しくエロかった。が、デビルマンとデーモンの戦いはすげーグロかった。そのエロさとグロさを兼ね備えていたのがシレーヌだった。OVAで見たのは、確かジンメンまでだったと思う。「第一部完」ぐらいまでか。
 コミックは、その後タイムスリップなんかをして、時代を遡ってデーモンと戦うのだが、それが2巻までの話と比べてあまり面白くない。ちょっとがっくり来る。が、4巻から実際にデーモンと人間が戦う話になる。ここで話の進行と暗さが一気に進む。激しく暗い内容だ。その暗さが次第に深まって、最後の最後でもうどうしようもなくなる。美樹ちゃんは死ぬは、デビルマンは死ぬは。
 メインにはそういう深いテーマがあり、それはそれで心を打たれるが、やはり何よりデビルマンそのものの、「イデオロギーなんて関係ねえぜ、俺は怒った!」みたいな勧善懲悪も心地よい。

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少女椿

少女椿

少女椿」 丸尾末広

 丸尾末広というと、昔の、少女向け雑誌の表紙みたいな奇麗な絵を描く人で、内容もその時代の雰囲気を醸していて、まあ江戸川乱歩みたいなエログロナンセンスっつーんですか、そんなの。公式サイトを見れば、その雰囲気はつかめる。好きな人は大好きな、そうでない人にとってはどうでもいい雰囲気。今の若い人はこういうのに惹かれるもんなんだろうか。

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はこにわ虫

はこにわ虫」 近藤聡乃

 一番先に思ったのは、絵が上手いってことか。ページ全体を見ても、なんかのポスターみたいな感じがする。文字も手書きみたいで、やっぱ統一された奇麗なデザインになってんだよな。
 そういった「芸術的」な内容で、一般的に言えば一部「意味不明」だろう。その不可解な感じは、「つめきり物語」の最初の言葉に、

何かの拍子に、何かがヒョイ、と浮かぶ。
こういうことはよくあることで
これも、そんなお話です。

とある。なんか全体的にそんな感じなんじゃねーの、と思った。こういった「雰囲気」の作家が増えたよね、みたいなことを巻末で林静一が、


それは、思想家吉本隆明氏が我が娘、よしもとばななの小説作品を指して、小説のマクドナルド化と評したのと同じ現象なのだ。

といい、そして、

近藤の作品も、関係性の他者として友人や目障りな隣人が登場する。が、山田花子の作品のように、それ以上関係へとは進まない。
いや寧ろ、関係を自ら拒否しているかのようで、そこが近藤の作品への初々しさを与えているのだ。まるで、大きくなることを拒否した少女のようにだ。

と論じている。なんというか、林静一だから、その分重く感じる。
それと、近藤聡乃の漫画は女性ならではの魅力があるだろう。恐らく、男性が同じようなキャラクターで漫画を書いたとき、それはどこかロリコン的な要素が含まれていたりするのではないか。そして、それは恐らくすでに消費されていて、新鮮さはあまり感じられないだろう。男性から見る少女への憧れではなく、女性から見る少女への憧れだろうか。そういったものを感じる。

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美しい人生

美しい人生」 清水おさむ

 表紙を見るだけで分かるが、凄い迫力。あまりの凄さに全部がギャグに思える。つーか、ギャグ漫画なんでしょ、こいつは。巻末にある根本敬の解説を読んでさらに衝撃。清水おさむってかなり年齢高い人なんだそうだ。この歳になってこのエネルギーで漫画を描いているのは凄い、と根本敬は書いている。確かにそう思うな。

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諸界志異 3 鬼市

諸界志異 3 鬼市 (3)
諸怪志異(三) 鬼市」 諸星大二郎

 諸星大二郎の中ではかなり好きなシリーズ。初めて読んだのは、父親が図書館で借りてきてたものだったと思う。正直、三が出ているとは知らなかった。だって、Amazonだと「諸界」志異になってんだもん。タイトルで検索しても出てこないわけだ。
 本の内容は、一、二ではかわいい少年だった阿鬼が青年になって活躍する話。五行先生に言われて旅に出るんだが、その旅の途中でこの巻は終わる。発行は1999年の12月ごろ。未だに続編が出ていないようだ。果たして続編は出るのか!? そういったところで注目。

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2004年10月26日

Heart

Heart [FROM US] [IMPORT]
Heart

 まず、1曲目の「IF LOOKS COULD KILL」はホント泣きそうになった。歌詞の"You'd be begging me please please"のところはマジでヤベー。死ぬほど悲痛な"please"なんだもの。アルバムの最初を飾るのに相応しい曲だな。2曲目「WHAT ABOUT LOVE?」もドーンと来て、これは泣かずにいられなくなる。これはHEARTお得意(らしい)のパワフルなバラード。これを聴くとアン・ウィルソンに圧倒されるね。で、3曲目に入ると、いきなりポップな「NEVER」。"Never-Never"と口ずさんじゃう。4曲目に名曲「THESE DREAMS」。まあ、俺としては最初の2曲のようなハードな曲が好きなんだけどね、いい曲ですよ。ボーカルはナンシー・ウィルソンがリードを取ってて、かなり落ち着いた感じ。美しいメロディにピッタリだ。

 この辺で、第2部に入る感じがするな。&一気にテンションも下がった。いや、この次にはまあまあ格好いい「THE WOLF」が来るんだけど、最初の方の曲と比べるとちょっと盛り下がり。悪い曲ではないけどね。その次、「ALL EYES」は何となくボーカルが可愛い。っていうか、ギターがいいね。7曲目の「NOBODY HOME」は結構好き。素朴な感じで、ギターソロも泣ける。8曲目の「NOTHIN' AT ALL」は軽くてポップな曲。前半のアンとは全然雰囲気違くて面白い。9曲目「WHAT HE DON'T KNOW」は7曲目のと同じくウィルソン姉妹とスー・エニスが作った曲らしくて、雰囲気も似てるね。喩えるなら、10年ぐらい前のZARDの曲みたいな。 (違う) そして最後に「SHELL SHOCK」。ハードな曲で上手くまとめた感じ。アンのボーカルもいいし、目立たない気がするギターもかなり格好いい。っていうか、このアルバムで一番格好いい。格好いいのにフェードアウトしていって名残惜しい。

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2004年10月13日

スクール・オブ・ロック

スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション
スクール・オブ・ロック

 考えてみれば凄い。"ロックの学校"である。この劇中でも散々言われているとおり、ロックの基本は反抗である。何に反抗するかというと、大物(ザ・マン)であり、その大物には学校も含まれるはずだ。そういったところで反抗を教えるとは、自ら崩壊してしまうのではないか。タイトルのまんまで考えれば、根本的に矛盾を抱えてるような気さえしてくる。

 主人公デューイは自己中心的で、自分で作ったバンドからもクビにされてしまうロッカーだ。その上働きもしないから家賃も払えず、ついには友人ネッドからも急き立てられることになる。どうにかして金を稼ごうとしているデューイのもとへネッド宛の電話が。そこでデューイはネッドに成りすまし、彼は名門私立校の代用教員となる。
 教員とはいえ偽物だし、そもそも彼は子供に何かを教える気は毛頭なく、教室では何もせずに過ごすだけ。そんな時、彼は音楽の授業で楽器を演奏する生徒達を見て、彼らとバンドを組もうと考える。当然騙してである。この時点でも相変わらずいい大人ではない。
 だが、彼も生徒達と一緒に、そして同等に接することで仲間意識や、責任のある態度も取るようになる。例えば、バンド・バトルのオーディションのときに、生徒の一人が他のバンドのやつらと一緒にどっかに行ってしまったとき、連れて行ったやつらに激怒し、そして生徒にも強く言い聞かせるのだが、それが全然説教じみていないのだ。

 それに、デューイはバンドのメンバーではない裏方の重要性も教える。ロックバンドにライブはつき物だが、それには裏方というものが非常に重要なのだ。ライブでは音楽やフロントのパフォーマンスだけが素晴らしいのではなく、照明も芸術的であるし、音響などもなくてはならない。他にも警護やマネージャー、スタイリストなんかもいたりして、子供の集団にしてはなかなか完璧である。まあ、グルーピーってのはちょっと微妙ではあるが、彼女たちにもバンド名を考えるという大きな仕事があった。

 これにはロックを通しての幾つかの成長がある。ガチガチの堅物となり得た子供達がロックを学んだこと、そして糞真面目な校長や親達にもロックはやれるということ。School of Rockというバンドを通して皆が成長するのだ。そこで成長した子供や校長や親達はみな生き生きとしている。

 この映画はディティールでも素晴らしいものがある。デューイの部屋(と言っても壁で仕切られてるわけではない)の装飾、黒板に書かれたロックの相関図、他にもデューイがAC/DCなどの歌詞を引用した台詞もそう。そういえば、この映画はAC/DCネタが結構な割合で含まれている。まあ、"School of Rock"だからだろう。AC/DCといえば短パン、ランドセルだから。そんなマニアでもニヤけるぐらいディティールにこだわった映画ではあるが、しかしそれを前面へ押し出すことはない。あくまでロックの精神や生徒との関わりがメインである。そこが商業的にも成功した所以だろう。

 そして、主演ジャック・ブラックの素晴らしさもある。この映画における彼はほとんどがハイテンションで、見ていて圧倒される。いやもう、半端じゃない。爆発しそうなのだ。半分爆発してるといえるのだが、何とか留まっているのがプロであり凄さである。ほとんどアドリブじゃないかというぐらいの台詞やアクションで大いに笑えて、そしてこっちまでノリノリになってしまう。(そんな彼を声だけでも体感したければここ)

 他にもいいところはたくさんある。子供達の演奏とか。まあ、長くなってくるんでこの辺で。ああ、個人的なお気に入りは、スタイリストの子供と、ローレンス役のロバート・ツァイ君。ロバート君は明らかに演技がやばいんだが、それがいい方向に向かっている(気がする)。そして、彼が最もロックをリアルに教え込まれた人物であろう。ギターやベース、ドラムの子役は皆ロックの演奏ができるらしいが、キーボードの彼だけクラシックである。あー、あとマネージャー役の子は実は一番年下らしい。凄いね。

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2004年10月06日

アウタ・サイト/アウタ・マインド

アウタ・サイト/アウタ・マインド
アウタ・サイト/アウタ・マインド

 つい最近(といっても半年ぐらい前)に発売されたCD。の割に音楽のタイプは70年代の雰囲気によく似てる。それも、今回のプロデューサーが元Led Zeppelinのジョン・ポール・ジョーンズだからか。というのはきっと間違い。彼らニュージーランド発のバンドなんだけど、やっぱり聴いてきた音楽ってのがAC/DCとかその時代のHR/HMなんだろうね。むしろ、その音楽性をバリバリ自分たちの音楽として演奏してたのだろう。そして、今回はジョーンジーがプロデュースすることで音楽としての深みが出た、と思ったほうが面白い。だからといって若さもまだまだ健在。それがいい感じにまとまっていいアルバムになってるんじゃないかな。なんか、期待しちゃって目が離せない。

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イメージズ・アンド・ワーズ

イメージズ・アンド・ワーズ
イメージズ・アンド・ワーズ

欲しくて欲しくてたまらなかったCD。Dream Theaterというと、「プログレ・メタル」とか言われたりして、ロックの技術を最高まで目指すとここに到達するんじゃないのか、とか思ってた。実際、メンバーそれぞれの技術はどいつも凄くて驚かされる。技術集団です。そして、このアルバム。1曲目にヘヴィな曲でズシンと来たと思ったら、2曲目で急にメロディアスな曲がくる。それがあまりに唐突だからかよく分からないが、案外すんなりと聴きいれることができる。いや、むしろその重さと美しさの二面性、おめーらホントに同じバンドですか、というぐらいの驚き。

投稿者 arikui : 17:29 | コメント (0) | トラックバック | EDIT

ロンドン・コーリング

ロンドン・コーリング
ロンドン・コーリング

 これ、ホントはあまり買う気がなかったCD。ただ、買ってみて聴いてみると評判通りの名盤で、いい意味で裏切られた。ていうか、いままでパンク自体あまり好きではなかったから。ピストルズぐらいは中学のとき聴いてたけど。例えば、パンクってのはガレージ・ロックって言われたりして、つまり、コードも知らないやつがガレージに集まって簡単にバンドやってるイメージもちょっとあったりして、あんまり聴いても感動しなそうって思ってたわけ。生き方なんかは格好いいと思うけど。けど、この「LONDON CALLING」は凄い。レゲエ、ダブ、スカ、、、音楽のバリエーションが豊か。そして、全てにパンクの精神が詰まっているとは、歴史的名盤といわざるを得ない。

投稿者 arikui : 17:12 | コメント (0) | トラックバック | EDIT

のだめカンタービレ 1

のだめカンタービレ 1(講談社コミックスキス 368巻)
二ノ宮知子著

出版社 講談社
発売日 2002.11
価格  ¥ 410(¥ 390)
ISBN  4063259684

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 コミックキスという雑誌で連載している漫画。この雑誌は読んだことが無いのだが、少女コミックなのだろうか。まあ、雑誌の対象は女性向けであるのは間違いないだろう。だから、「のだめ」を読んでいるのは女かオタというイメージがあり敬遠してきていた。(そもそも棚に近づくことが困難) いや、のだめ自体を知ったのも今年に入ってからだから、結構疎いというのもある。疎さとそういった少女向けの漫画ということで絶対買うことはなかったはずなのだが、ところどころで聞く評判の高さを無視することもできず、結局「1巻がつまらなかったら二度と買うものか」という気持ちを持ちつつ1巻を買った。ところが読んでみると非常に面白いではないか。なんてこった。何年間もこの漫画を読んでこなかったなんて。

 帯によると、「大爆笑の学園クラシック・コメディー」ということらしい。少女コミックのギャグなんぞに硬派な俺が笑うか、と嘲笑するのは早い。告白すると、読んでる間は終始にやけ面であった。家で読んでたお陰で変態と間違われずに済んだ。

 1巻のストーリーのメインは、ピアノもバイオリンも何もかも上手な指揮者志望のオレ様・千秋と、メチャクチャなんだけど音楽については天才的な感性を持つのだめの出会いである。
 この漫画の素晴らしいところは、キャラクターの設定がはっきりしているところだろう。学園随一の才能を誇り完璧主義者の千秋であったり、それとは反対にメチャクチャなのに"実は"上手いのだめであったり、そういった特徴が演奏のシーンだけでなく随所で見られるのだ。例えば、部屋が激しく汚いのだめに対して、千秋は押しかけてまで掃除をするといった場面にも現れているし、場面で追わずとも台詞にまでそれが出ている。ギャグという線で見てみると、のだめのメチャクチャなところが面白いのだが、そのメチャクチャも本当にメチャクチャなのではなく、何となく調和が取れているのだ。その流れが全体として心地よくもあり、そして音楽なのだろう。
 1巻には、落ちこぼれのバイオリニスト・峰も登場する。彼もメチャクチャな点で言えばのだめに似ている。しかし、彼の場合は、自分の才能に対するコンプレックスもあり、それがロックという方向へも向かっているのだと思うのだが、つまり「オナニープレイ(by のだめ)」でもあるのだ。単純に楽譜を見ないのだめとはちょっと違っている。ここでロックを選んだ二ノ宮はホントスゲーと思う。まさにピッタリ。

 こういった魅力のあるキャラクター達が続々出てくるだろうと考えると、続きを読みたくなってくる。ああ、少女コミックの棚にはあまり近づきたくないんだけどなあ。

投稿者 arikui : 16:19 | コメント (0) | トラックバック | EDIT