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2004年10月06日

のだめカンタービレ 1

のだめカンタービレ 1(講談社コミックスキス 368巻)
二ノ宮知子著

出版社 講談社
発売日 2002.11
価格  ¥ 410(¥ 390)
ISBN  4063259684

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 コミックキスという雑誌で連載している漫画。この雑誌は読んだことが無いのだが、少女コミックなのだろうか。まあ、雑誌の対象は女性向けであるのは間違いないだろう。だから、「のだめ」を読んでいるのは女かオタというイメージがあり敬遠してきていた。(そもそも棚に近づくことが困難) いや、のだめ自体を知ったのも今年に入ってからだから、結構疎いというのもある。疎さとそういった少女向けの漫画ということで絶対買うことはなかったはずなのだが、ところどころで聞く評判の高さを無視することもできず、結局「1巻がつまらなかったら二度と買うものか」という気持ちを持ちつつ1巻を買った。ところが読んでみると非常に面白いではないか。なんてこった。何年間もこの漫画を読んでこなかったなんて。

 帯によると、「大爆笑の学園クラシック・コメディー」ということらしい。少女コミックのギャグなんぞに硬派な俺が笑うか、と嘲笑するのは早い。告白すると、読んでる間は終始にやけ面であった。家で読んでたお陰で変態と間違われずに済んだ。

 1巻のストーリーのメインは、ピアノもバイオリンも何もかも上手な指揮者志望のオレ様・千秋と、メチャクチャなんだけど音楽については天才的な感性を持つのだめの出会いである。
 この漫画の素晴らしいところは、キャラクターの設定がはっきりしているところだろう。学園随一の才能を誇り完璧主義者の千秋であったり、それとは反対にメチャクチャなのに"実は"上手いのだめであったり、そういった特徴が演奏のシーンだけでなく随所で見られるのだ。例えば、部屋が激しく汚いのだめに対して、千秋は押しかけてまで掃除をするといった場面にも現れているし、場面で追わずとも台詞にまでそれが出ている。ギャグという線で見てみると、のだめのメチャクチャなところが面白いのだが、そのメチャクチャも本当にメチャクチャなのではなく、何となく調和が取れているのだ。その流れが全体として心地よくもあり、そして音楽なのだろう。
 1巻には、落ちこぼれのバイオリニスト・峰も登場する。彼もメチャクチャな点で言えばのだめに似ている。しかし、彼の場合は、自分の才能に対するコンプレックスもあり、それがロックという方向へも向かっているのだと思うのだが、つまり「オナニープレイ(by のだめ)」でもあるのだ。単純に楽譜を見ないのだめとはちょっと違っている。ここでロックを選んだ二ノ宮はホントスゲーと思う。まさにピッタリ。

 こういった魅力のあるキャラクター達が続々出てくるだろうと考えると、続きを読みたくなってくる。ああ、少女コミックの棚にはあまり近づきたくないんだけどなあ。

投稿者 arikui : 2004年10月06日 16:19

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