2005年02月08日

久々に期待を裏切られた映画

 いい意味で。(おやくそく)

Happy Accidents

 ストーリーは、未来から来たと称する男と、恋愛にことごとく失敗してきた女の話である。主演は、キューブリック作品の「フル・メタル・ジャケット」で微笑みデブを演じたヴィンセント・ドノフリオ。この時点でもの凄く惹かれるものがある。「フル・メタル・ジャケット」から十数年経ってるが、髪の毛以外ほとんど同じというのは脅威だ。

 「未来から来た」というと、なんだかB級SFの香りがするが、これはれっきとした恋愛映画だ。この変人臭い男と、彼を異常だと思う女の愛の話だ。これが凄い面白い。この変人が言うのだ。
「僕は君を助けに来た」
「君は金曜日に死ぬ」
 明らかに変人だ。狂ってる。ちなみに、最後のオチまでこの男が変人なのか、未来人なのか分からず、「え、どっちなのよ」とか思いながら、見ているほうも揺れるのだ。ただ、この変人がとてもナイスガイで、何だかこの男を信じてしまう。まあ、あのマヌケ面が悪人であるはずが無い。

 マリサ・トメイが相手の女性であるルビー役を演じているんだが、これがまたよい。「素敵な人なんだけど変人なのよね」という葛藤を見事に演じた。なんだか、常にヒステリックである。もう泣きじゃくりすぎ。それがやたら可愛らしい。

 こういう話にはよくある、「未来人の決まり事」はこの映画にもあるんだが、そのうちの一つに、これもありきたりな「自分が未来人ってことを話しちゃ駄目」というのがある。が、この変人、みんなに話しまわるのだ。女の命を救うのなら、女に話すだけで十分のはずだ。やはりアホだ。で、この女も、ハナっから信じていないんで、友人やらなにやらに言いふらすのだ。お陰で、二人の周囲の人間は、みんなそいつが「未来から来た」ということを知っているのだ。これじゃ、たとえ変人でなくとも、変人と思われて仕方が無い。

 ストーリーだけではない。映像も控えめながらなかなか面白い。変人はタイムトラベルの影響から、脳の時間認識がおかしいというか、変な症状がある。このときの逆回しの映像は、簡単そうな編集であるが面白い。他にも、男が未来の思い出話をするときの映像もなかなか凝ってる。


 とりあえず、「フル・メタル・ジャケット」で、デブのレナードのファンになった方々は必見の映画であることは間違いない。デブはここまで成長しました。

投稿者 arikui : 2005年02月08日 16:31 | トラックバック

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