まず、俺は弊害は可能性としてありうると思ってる。「近親相姦タブーと性的境界」だけれど、これって弊害がないとは言い切っていない。ここで書かれているのは、「確固たる証拠は提示できないものの、それ自体はタブーとされている」ということだけだ。そういう話。
それと、
サラブレッドの配合に目を移すと、サラブレッドは既に遺伝子的にブラッシュアップの極みにある状態ですので、人間より更に弊害がおきにくいと考えることもできます。
ということだけど疑問がある。まず、遺伝子ってブラッシュアップされるのかという疑問。劣性遺伝子って出現しないだけで無くなることはない。仮に優性だけが運良く残ってきたということも無きにしも非ずだけど、確率的にはあまり考えられない。
ただ、劣性を完璧に取り除けば、つまり、AA、Aa、aaの中からaaだけを取り除いていけば1/5づつ劣性が出現する確立は低くなっていくかな。で、人間の方は自然とそれが行われてきているわけだけど、というよりはなるべく劣性が出現しないようになってるんだけど、サラブレッドのほうはそうではないどころか、インブリードを多用して昔の血を長々と伝えてきている。とすると、大昔の劣性が今の今まで濃く残ってきているということが考えうるのだな。
統計(があれば)見るか、もしくは科学が発展しないと分からんのだけど、サラブレッドはいくつかの劣性遺伝子が出現しやすいのではないか。それに病気になるとかいったものが含まれているかもしれないし、そうでないかもしれない。それら劣性遺伝子の効果によってはある意味ブラッシュアップされているとも言える。
それとおまけ。
これは東京優駿のレコードタイムを見てったやつ。
目立つ記録は1936年のヒサモト、1943年のクリフジ、1963年のメイズイ、1973年のタケホープ、1982年のバンブーアトラス、1990年のアイネスフウジン、そして2004年のキングカメハメハあたり。それらの期間は7年、20年、10年、9年、14年。クリフジとメイズイの間が長いのは太平洋戦争があったから、ということが考えうる。とすると、通常は10年そこらで大幅にレコードが更新されるという見方が出来る。ただ、アイネスフウジンからの記録は軒並み単調であった点からして、サラブレッドの進化も止まったかなとも思える。
そして、こっちは「Scientific Running」というところにあった人間の100mの世界記録のグラフ。
こっちの方を見てみると、サラブレッドと結構似たようなグラフみたいだ。実際はトレーニングで大きく変わって来ているとは思うものの、それでも人間、サラブレッドどちらも落ち着いてきているといえるだろう。とすれば、これは人間もサラブレッドも、進化が止まったというよりは、生物的な限界が見えてきたという方がいいのかもしれない。
サラブレッドのほうは人間と比べて遥かに近親で重ねられてきていると思われる。とすると、サラブレッドにとっての近親弊害というものはあまりないのかもしれない。
ただ、人間とサラブレッドの歴史は全然違う。でも、人間もミトコンドリアを辿ると数種類にしか分類されないというのも聞くしなあ。
弊害があるかどうかはようわからんです。ただ、代を重ねることによって、大昔の劣性遺伝子が出現しやすいということは考えられるし、それによるリスクもまたあるだろう。
11/20 追記
上の方で1/5って書いたけど、計算したら1/9と出たのでそのぐらいかもしれない。1/9ぐらい。
ん~過去にインブリードしまくってたんだし,劣性遺伝子についても淘汰(ブラッシュアップ?)は済んでるんじゃないのかな.
そうでなきゃ今ごろエルコンドルパサーみたくインブリードで強い馬が出るはずないと思うが.
ああ、確かに劣性遺伝子についてはそうですかね。ちょっと、間違ってたかな。
思ったんですけど、優性遺伝子が色濃くなってしまうってことが問題なるときもあるかもしれません。虚弱体質とか、優性遺伝子のほうにあったりとか十分考えられますしね。
まあ、サラブレッドの場合の方が劣性ホモが出にくいのかな。人間も馬も数が多くて分かりません。
種が成立した時期にはあっただろうが,優性遺伝子についての淘汰はそれこそ劣性遺伝子より先に終了しているだろう.
虚弱体質が発現せずにどうやって淘汰をくぐりぬけてきたと?
絡んでしまったがいいエントリだった.ありがとう
Posted by: : 2004年11月21日 07:06いやいや、出現する特徴ってのは必ず一つではないから、ありうるでしょう。つまり連鎖ってことです。ということでいったつもりでしたが。
Posted by: arikui : 2004年11月22日 06:23