パソコンのファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を開発し著作権のある映画やゲームソフトなどの違法コピーを手助けしたとして、京都府警ハイテク犯罪対策室と五条署は10日、著作権法違反ほう助容疑で東京都文京区根津、東京大助手、金子勇容疑者(33)を逮捕した。
金子容疑者は同掲示板などで「ネット上でデジタルコンテンツが取引されるのはやむを得ない」と発言。「自らが著作権侵害をまん延させることで新たなビジネスモデルを模索できる」などと主張し、236回にわたって「ウィニー」のバージョンアップを繰り返していたことから、府警は違法性を十分認識していたと判断した。
金子容疑者は調べに対し、「結果的に自分のやった行為が法律にぶつかってしまうので、逮捕されても仕方ありません」と話しているという。
金子容疑者は、インターネットの掲示板「2ちゃんねる」で「47氏」と呼ばれており、「そろそろ匿名性を実現できるファイル共有ソフトが出てきて、現在の著作権に関する概念を変えざるを得なくなるはず。試しに自分でその流れを後押ししてみよう」などと、開発理由を説明する書き込みがあった。
京都新聞に面白いことが書いてありました。
包丁は野菜を刻むこともできるし、人を傷つけることもできる。罪に問われるのは、人を殺傷した実行行為者だけだ。拳銃は、人を殺傷する以外に目的を持たず、日本では所持も製造も禁止されている。京都府警が今回、ウィニーという通信ソフトの開発者を著作権法違反の「ほう助」で立件に踏み切るのは、同ソフトをネット社会における「拳銃」の開発に等しい、と判断したといえるだろう。
Winnyは「拳銃」?
拳銃は生き物を殺傷するのが目的の道具ですよね。とすると、Winnyも著作権を侵害する目的のソフトとして違法ということなんでしょうか。確かに、開発者の「著作物をネットで共有する」という考えは違法なことだったとしても、Winnyそのものでは別に著作物でなくとも共有することは可能です。それは他のP2Pソフトも同じことだと思います。
小倉弁護士「Winnyは『中立的な道具』、罪になるかは判断が分かれる
ただしWinnyは、著作権違反以外にも使える『中立的な道具』。犯罪以外の用途にも使える道具を開発したことが罪になるのかは判断が分かれる。こういったことは日本ではあまり議論されてこなかった分野。ドイツではよく議論・裁判になっているが、判決は多岐にわたっており、結論は出ていない
微妙なところ。
投稿者 arikui : 2004年05月10日 14:14 | トラックバックCDをコピーできる”可能性のある”技術を持つソフトウエア及びハードウエアを作った開発者と何が違うのか?といった感じもするね。
Posted by: tug : 2004年05月12日 23:00「複製」ってのはバックアップ的な意識からあまり問題とされないんだよね。でも実際はTSUTAYAから借りたCDを複製して、CDを買うより安上がりにその著作物を手に入れる目的の方が遥かに大きい。(まあ、レンタルショップの場合はCDが一定の権利付きで売られてるものをレンタルしてるということで違うんだけど。友人間で例えたほうが近いか。)
この事件については京都府警が暴走してると見ても、あながち間違いではないとは思います。で、私たち一般人はどう対応するのか、というところが大きいはず。捕まった金子氏は「仕方がない」と言ってるけれど、本当に仕方がないことなのか。どう考えてどう動くべきなのか、一般人でもあんまり無責任にはなれないなぁ、とちょっと嫌な感じです。なんせ相手は国家権力ですから、こっちもある意味命懸けになってでもやらなきゃならないんでしょうかね。
つーか、腐りすぎ!
CD逆輸入の法律のことにしても!