なんか暑い、春

　今日はなんか暑いぞ。暑い。朝日の天気予報のところ見たら15度だって。もう春だ。
　今日は成績を見に大学へ行くことにした。というか明日から授業が始まるので、有り得ないけど俺なら有り得る留年という話が出てきたら困るからだ。

　外に出る。やはり暖かい。しかし日が翳っている。なんと言うか、小学校のころ、学校のプールへ行く途中のどんより曇った、いかにも雨が降りそうな香りがするのである。天気は悪いが生暖かい。そんな感じ。しかも、つい昨日までは家の中ではストーブを焚いていたぐらいで、最近友人から雪が降ったと聞き、祖母からはみぞれが降ったと聞いたばかりであり、そんなつい最近まで冬であったのだから春の訪れとは面白いものである。
　久々に自転車に乗る。俺が住んでいるのは仙台からのベッドタウンで、俺は住宅のすぐそばを走る。隣の新興住宅地からは刈ったばかりの芝から草の香りがしてきて、小さいころよく遊んだ草野球を思い出させる。
　さすがにどう考えても春の訪れが早すぎる。インドアな俺にはそう思ってしまうが、マウンテンバイクに乗って、見るからにいつもこの道を通っている感じの中年男は疲れた表情でじっと目の前の空中を見つめており、彼には今の俺のような春に対する感動はとっくに過ぎてしまっているようであった。

　ここ数ヶ月家を出ていないだけあり、2,3キロの距離が遠く感じる。脚はまだ大丈夫なのだが肺である。苦しいのではない、痛い。ズキズキ来たところで大学につく。俺の心は春で満たされており、しかも新入生が多くいてとても新鮮な感じがするが、自転車置き場のところにある排気口からは学術の匂いが流れ出し、建物に入る前から脳が疲れてくる。
　大学のPCの前に座る。いい気持ちで成績照会する。たった25単位しか取っていない。これじゃあ4年で100しか取れないじゃないか。ここはペパーダイン大か(←言いづらい)。登録は50以上したと思うのだが、何故か半分落としてる。というか、半分以上出てないものばかりで、｢誰この先生｣って感じのが多い。まあ、去年はなかなか暇が多かったからほぼ予想通りだったが、唯一予想外の単位落ちがあって先生を恨んだ。その反面予想外の単位取得でしかも”良”だったのは泣きそうになった。

　進級可能かどうかの張り紙が張られるのが今日までということを知り、焦って事務室前の掲示板のところに行く。予想通り学年が上がってた。当然だろう。この大学は4年でしか留年なし。期待に添えなくてすいませんでした。畜生。